2. 投資期間の違いによる利益の差

シミュレーションの結果から、投資期間と利益が単純な比例関係にないことがわかります。

  • 10年間の運用益:58万円
  • 20年間の運用益:261万円(10年間の約4.5倍)
  • 30年間の運用益:656万円(10年間の約11.3倍)

上記のように、投資期間を10年から2倍、3倍と伸ばした場合に、運用益はそれぞれ約4.5倍、約11.3倍となっており、期間の伸張率を大きく上回る割合で増加していることが確認できます。

これは、積立投資を行うことによる「複利効果」が影響した結果です。この「複利効果」について、わかりやすい比較例を挙げて見ていきます。

今回挙げたシミュレーション1の「10年間・月3万円の積立投資を2回」行うケースと、シミュレーション2の「20年間・月3万円の積立投資を1回」行うケースを考えます。

この二つは、投資の総額としてはどちらも720万円となるため、同額です。しかし、利益としては(年平均利率が同じ場合)1つめのパターンが58万円×2=116万円に対して、2つめのパターンでは261万円です。

総投資額は同額であるにもかかわらず、最終的な運用益には2倍以上の差が生じます。

この差は、複利効果の有無によってもたらされます。継続投資の場合、運用によって得られた利益が元本に加わり、その合計額が次期の運用対象となります。これにより「利益が利益を生む」構造が形成され、時間の経過とともに資産の増加率が高まります。

長期投資のメリット

長期投資のメリット

出所:金融庁「資産形成の基本」

投資を一度中断する行為は、この複利効果をリセットすることを意味します。そのため、長期間にわたって投資を継続することが、複利効果を最大化する上で極めて重要な要素であると言えます。