3. 国民年金保険料の免除とは

ここで、国民年金保険料の免除についてもう少しくわしく見ておきましょう。

保険料の支払いが困難であると認められた場合、年金保険料は免除されます。「未納にするのと何が違うの?」と思われるかもしれませんが、きちんと申請して免除されれば、一定期間は保険料を納付したものとして年金額が計算されます。

また、全額免除の基準を満たしていなくても、保険料の一部を免除してもらえるケースもあります。

  • 全額免除:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
  • 4分の3免除:88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 半額免除:128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 4分の1免除:168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 納付猶予制度:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円

くわしくは日本年金機構のホームページなどで確認しましょう。

4. 【住民税非課税世帯】国民年金保険料が「全額免除」になる可能性が高い

住民税非課税世帯と国民年金保険料の全額免除の関係について解説しました。

住民税非課税世帯は、国民年金保険料が「全額免除」になる可能性があるものの、厳密には両者の基準が異なります。

国民年金保険料の全額免除は、本人・世帯主・配偶者の前年所得が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」以下のときなどに認められます。

一方、住民税非課税世帯に該当する所得のボーダーラインは自治体で異なりますが、札幌市の例を見ると、扶養親族なしの場合の合計所得金額は45万円です。これに対応する給与収入のみの年収は100万円、65歳以上の公的年金収入のみの年収は155万円となります。

扶養親族の数が多いほど、非課税限度額は引き上げられます。

個々のケースで異なるものの、住民税非課税の所得基準を満たす人は、国民年金保険料全額免除の基準を満たす可能性が高いと言えるでしょう。

国民年金保険料が全額免除されると、保険料を納付したものとして年金額が計算されるメリットがあります。

全額免除の基準に満たない場合でも、一部免除や納付猶予制度もありますので、詳細は日本年金機構のホームページなどで確認しましょう。

また、住民税非課税世帯を対象とした給付金や助成金は多岐に渡ります。

必要な人に必要な支援が届くよう、情報はしっかりと入手するようにしましょう。

参考資料

太田 彩子