デジタルネイティブとして、メディアリテラシーが高いと思われがちなZ世代。実際、Z世代はSNSやネット記事など、様々な情報源から情報を得ており、使いこなしています。
しかし、フェイクニュースに騙された経験はデジタルネイティブともいえるZ世代でも少なくないはず。どの程度の人が経験しているのでしょうか。
今回はZ世代のフェイクニュース被害経験や情報収集について見ていくとともに、デマに騙されないようにするにはどのようにすればよいかご紹介します。
1. Z世代は「だまされない世代」なのか? フェイクニュース被害の実態
ミドリ安全株式会社がZ世代からシニア世代までの全国の男女1000名を対象に実施した「災害時の情報リテラシーや生成AI活用への意識に関する調査」を見ていきましょう。
1.1 調査概要
- 有効回答数 全国の18~79歳までの男女1,000名(年齢ごとに大きく下記4つの世代に分け、男女ごとに均等割付)
- Z世代(18歳~28歳):250名(男性125名/女性125名)
- ミレニアル世代(29歳~44歳):250名(男性125名/女性125名)
- ジェネレーションX(45歳~60歳):250名(男性125名/女性125名)
- シニア(61歳~79歳):250名(男性125名/女性125名)
- 調査期間:2025年7月29日~2025年7月31日
- 調査方法:インターネットリサーチ
※調査時の年齢を基準とする
※2024年1月に発生した能登半島地震の影響により、被災地域の新潟県、富山県、石川県、福井県は調査対象から除外しています
1.2 最多はメディアリテラシー教育を受けるZ世代、58.4%が被害経験あり
【写真6枚中1枚目】フェイクニュースに関する世代別比較。2枚目では災害時に情報収集するメディアについての回答結果を掲載。

出所:ミドリ安全株式会社「【世代別防災意識調査 2025】Z世代を襲う“情報災害”リスク リテラシー教育5割超えも、フェイクニュース被害58.4%過去最多」(PRTIMES)
Z世代 (18~28歳)
- メディアリテラシー教育を受けた経験:52.4%
- フェイクニュースにだまされた経験:58.4%
- 今後の防災対策に生成AIを活用したい:61.6%
ミレニアル世代 (29~44歳)
- メディアリテラシー教育を受けた経験:25.6%
- フェイクニュースにだまされた経験:46.8%
- 今後の防災対策に生成AIを活用したい:40.4%
ジェネレーションX (45~60歳)
- メディアリテラシー教育を受けた経験:6.8%
- フェイクニュースにだまされた経験:24.8%
- 今後の防災対策に生成AIを活用したい:42.4%
シニア (61~79歳)
- メディアリテラシー教育を受けた経験:8.4%
- フェイクニュースにだまされた経験:17.2%
- 今後の防災対策に生成AIを活用したい:35.6%
「フェイクニュースにだまされた経験」がある人の割合は、Z世代で58.4%と多世代に比べて最も高い結果となりました。一方でZ世代は「メディアリテラシー教育を受けた経験」がある人の割合も他世代より高くなっています。
メディアリテラシー教育を受けたからといって、フェイクニュースに騙されないとは限らないことがわかります。
Z世代のほうがたくさんの情報をネットから得ていることも理由の一つにあるでしょう。
また、「今後の防災対策に生成AIを活用したい」と回答した人は、前年代で3割を超えています。その中でも、Z世代は6割を超えており、AIが身近になっていることがわかります。
Z世代はSNSから多くの情報を日常的に得ているからこそ触れる情報量が膨大で、結果的にフェイクニュースのリスクにも直面しやすい世代といえます。
では、災害時の情報収集はどのようにしているのでしょうか。次からは、情報収集のシーンを絞って見ていきます。