1.2 理由2:在職定時改定制度
年金の手取り額だけでなく、額面そのものが10月に変わることがあります。
その主な理由が「在職定時改定制度」です。
この制度は2022年4月に始まり、厚生年金を受け取りながら働く65歳以上の方を対象に、支払った保険料を年金額に反映する仕組みです。
65歳を過ぎても働いている場合、老齢厚生年金の受給者でありながら、同時に被保険者でもあります。そのため、保険料を納めた期間が延び、年金額が変動する可能性があります。
令和4年3月までは、退職や70歳到達時にまとめて反映されていましたが、令和4年4月から、毎年10月に改定されています。
具体的には、基準日となる9月1日において被保険者である老齢厚生年金の受給者の年金額について、前年9月から当年
8月までの被保険者期間を算入し、基準日の属する月の翌月(毎年10月)分の年金から改定されます。
つまり、毎年10月に「前年9月~今年8月」分の被保険者期間が年金額に反映されるということです。
増額幅は前年の収入などによって異なりますが、働きながら年金を受け取っている方は、10月に年金額が上がることもあります。ただし、額面が増えると翌年の税金や社会保険料にも影響するため注意が必要です。
ここまで、10月から年金額が増える理由を解説しました。では、実際に今のシニア世代はどれくらい年金を受け取っているのでしょうか。次に、年齢別の平均額をご紹介します。