したがって、家計全体のバランスシートを見る際には、金融資産に加え実物資産も考慮しなければならないでしょう。また預貯金だけではなく負債も考慮した「ネットキャッシュ」という概念も必要になるでしょう。もしかしたら、ネットキャッシュにしたらマイナスの世帯も多いかもしれません。
まとめにかえて
60歳代の二人以上世帯について、金融資産保有世帯に限って言えば、金融資産保有額の平均値で2415万円、また中央値は1500万円ということになり、いずれ貯蓄の目安になるともいえる1000万円は超えています。
一方で、60歳代の二人以上世帯で金融資産を保有しない割合も2割近く、老後が始まる世代としては不安が残るというケースもあるでしょう。また、金融資産額別の分布割合を見ても金融資産格差もあるかのように見えます。今後、これまで以上に年収の動向などと共に貯蓄に注目が集まりそうです。
【ご参考】金融資産とは何か
当調査で含まれる金融資産には、預貯金、生命保険、損害保険、個人年金保険といった保険、また株式、投資信託、債券といった有価証券と財形貯蓄が含まれます。
【用語解説】中央値と平均値とは
平均値とは、データの値を合計しそのデータ数で割ったものを言います。また、中央値については、データの値を順に並べ、その中央にある値を中央値(メジアン)といいます。値が偶数個の際には、中央の2つの値の平均値をとります。
【参考文献・データ】
知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2018年)
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青山 諭志