11月、七五三や初霜の便りが届くころ、街には少しずつ冬支度の気配が漂い始めます。年の瀬が近づくこの季節、ふと「これからの暮らし」に思いを巡らせる方も多いのではないでしょうか。
退職後の生活設計は、誰にとっても避けて通れないテーマです。公的年金だけで本当に安心できるのか、生活費や年金はどれくらいなのか――そんな疑問を抱くのは自然なことです。
そこで本記事では、データをもとに高齢者の家計事情や年金受給額の実態をわかりやすく解説します。
「自分の老後資金、これで大丈夫かな?」と思ったときに、考えるきっかけになる内容です。ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
1. 「生活が苦しい」と感じているシニアは5割超という現状
まずは、現代の高齢者がどのような生活意識を持っているのかを確認してみましょう。
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の生活意識は次のようになっています。
1.1 「高齢者世帯の生活意識」の調査結果を見る
- 大変苦しい:25.2%
- やや苦しい:30.6%
- 普通:40.1%
- ややゆとりがある:3.6%
- 大変ゆとりがある:0.6%
「大変苦しい」と「やや苦しい」と回答した人の割合は55.8%にのぼります。
つまり、高齢者世帯では「普通」と答えた人よりも、「苦しい」と感じている人のほうが多い結果になっています。
