冬の寒さが本格化するこの時期、老後の生活資金について改めて見直されている方も多いのではないでしょうか。
老後に入ると、収入源は主に「年金」となり多くの場合、現役時代より収入が減少します。
厚生労働省が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金+国民年金の平均受給額は月額およそ14万円、国民年金の平均受給額は月額約5万円です。
これらの平均額を見ると、老後の年金収入は十分とは言えず、節約を心がけても「生活が苦しい」と感じる人は少なくありません。
そのため日本では、年金額やその他の所得が一定水準に満たない人を対象に「年金生活者支援給付金」という恒久的な支援制度が設けられています。
本記事では、「年金生活者支援給付金」の対象者や2025年度の給付基準額をご紹介します。
申請しないともらえない給付金となっていますので、ご自身やご家族が支給要件を満たしていないか、よく確認しておきましょう。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
1. 対象の場合は年金に上乗せ支給!「年金生活者支援給付金」とは?
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得が少なく、家計が厳しい高齢者世帯を支えるために設けられた制度です。
この給付金を受け取るには、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」のいずれかを受給していることが前提で、さらに複数の基準をすべて満たす必要があります。
次回の年金支給日は12月15日となっていますが、年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」が支給されるのはどんな人なのでしょうか。
ここでは、特にシニア世代との関わりが深い「老齢年金生活者支援給付金」に注目し、その受給条件や基準額について確認していきます。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」を受け取れるのはどんな人?
「老齢年金生活者支援給付金」を受け取れるのは、次の条件をすべて満たす人です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
-
前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下である
判定の際には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は所得として扱われません。
また、基準を少し超えるだけで対象外となり、基準ぎりぎりの人より所得が低くなるといった不公平が生じないよう、一定の所得がある場合には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
具体的には、昭和31年4月2日以降生まれの人で所得が80万9000円超〜90万9000円以下の方、昭和31年4月1日以前生まれの人で80万6700円超〜90万6700円以下の方が補足給付の対象となります。