3. みんなの年金から差し引かれる「5つのお金」とは?

年金から差し引かれる税金や保険料について、詳細を確認しておきましょう。

(1)所得税

課税対象となる年金(公的年金等控除後の金額)に応じて課税されます。収入が年金のみであっても、一定額を超えると源泉徴収の対象になります。

(2)住民税

前年の所得に基づいて市区町村が決定する税金で、一定の条件を満たす年金受給者が徴収対象となります。

(3)国民健康保険料

職場の健康保険を喪失し国民健康保険に加入している場合、保険料が年金から引き落とされます。

(4)後期高齢者医療保険料

75歳以上の方が対象。所得や自治体によって保険料が異なり、原則として年金から特別徴収されます。

(5)介護保険料

65歳以上で要介護認定を受けていない方でも、所得に応じた介護保険料が年金から天引きされます(第1号被保険者)。

4. 自分の年金額を把握し、不足分への備えを考えましょう

厚生年金受給者のうち、月額20万円以上を受け取っている人は全体の約16%にとどまり、多くはそれ以下の水準です。

年金額は現役時代の働き方や収入によって大きく差があり、「誰でも月額20万円もらえる」というものではありません。

さらに実際に振り込まれるのは、税金や社会保険料が差し引かれた後の「手取り額」です。

そのため、生活費として使える金額は公表されている支給額よりも少なくなります。

老後の生活を安定させるには、まず自分の年金額を正確に確認し、不足分をどのように補うかを検討しておくことが大切です。

参考資料

加藤 聖人