澄み切った空が広がる秋の深まりとともに、健康について改めて考える方も多いのではないでしょうか。
医療費がかさみやすい高齢期に安心をもたらすのが「高額療養費制度」です。
特に70歳以上の方は、自己負担割合が軽減されるうえ、月ごとの負担には上限額が設けられています。
さらに、マイナ保険証(マイナンバーカードと一体化した健康保険証)を活用すれば、限度額を超える支払いを病院の窓口で立て替える必要がなくなります。
本記事では、70歳以上の自己負担限度額が具体的にいくらになるのか、そしてマイナ保険証を利用するメリットについて詳しく解説します。
1. 高額療養費制度とは?医療費が高額になっても安心できる仕組み
高額療養費制度は、病気やけがで医療費がかさんだ場合に、自己負担額が一定の上限を超えた分を払い戻す制度です。
公的医療保険に加入していれば誰でも利用でき、年齢や所得に応じて上限が設定されています。
通常、医療機関の窓口では「医療費の1〜3割」を負担しますが、入院や手術で費用が高額になると家計に大きな負担となります。
そこで高額療養費制度を利用すれば、負担が重すぎないよう調整されるのです。
1.1 70歳未満と70歳以上の違い
70歳未満は「所得区分に応じた自己負担限度額」が適用されます。一方で70歳以上は、高齢者の生活状況に配慮し、限度額がさらに低く抑えられている点が大きな特徴です。
また、70歳以上の場合は「同じ世帯で複数の人が高額療養費の対象となったときに合算できる」「年間上限額が定められている」など、より使いやすい仕組みも整えられています。