涼しい風が吹き、秋の気配が感じられるこの頃。家計を見直し、「この秋こそ貯蓄を始めよう」と考えている方も多いかもしれません。しかし、日本の二人以上の世帯で、20%以上が貯蓄ゼロという厳しい現実をご存じでしょうか。
とくに若年層においてその割合が高く、生活の不安定さが浮き彫りになっています。
なぜ、多くの人が貯金を持てないのか。その背景には、収入の低さや生活費の高騰、将来への不安など、さまざまな要因が絡んでいます。
この記事では、貯蓄ゼロ世帯の実態とその背景、そしてお金が貯まらない人に共通するNG行動について詳しく解説します。
1. 貯蓄ゼロ世帯のリアル:20%以上の世帯が貯蓄非保有
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、日本の二人以上の世帯において、貯蓄が全くない(金融資産非保有)世帯の割合はどの世代でも20%以上にのぼります。
これは、5世帯に1世帯が貯金を持たない状況を示しており、決して少数派の問題ではありません。
1.1 なぜ50歳代と若年層に多い?貯蓄ゼロの背景要因
年齢層別に見ると、若年者、そして50歳代において貯蓄ゼロ世帯の割合が高くなっています。
貯蓄ゼロの背景には、収入の低さや不安定さ、生活費の高騰、家のローン、教育費や医療費の負担などが複合的に影響しています。
特に、突出して貯蓄ゼロの割合が多い50歳代は就職氷河期世代とも言われ非正規雇用が増加した世代でもあります。
年金制度の不安定さが、将来の不安を増大させています。