秋風が肌寒さを増すこの季節、体調管理に気を付けたい時期ですね。さて、公的年金は偶数月の15日に支給されますが、今月15日に今年5回目となる年金支給日が実施されました。今年残りあと1回の支給日は12月になります。

厚生労働省が公表した「令和7年4月分からの年金額等について」によると、2025年度の老齢基礎年金(満額)は月額6万9308円、標準的な夫婦世帯の厚生年金は月額23万2784円です。

しかし、公的年金が老後の主な収入源となる70歳代の家計は、家計調査の結果、毎月赤字が続いています。今回は、この老後生活の現実を、70歳代のリアルな生活費や貯蓄額の格差といった最新データで確認し、長期化する老後をどのように乗り切るべきか、その経済的な課題を深く解説します。

1. セカンドライフの自由時間「どのくらい長い?」

令和6年簡易生命表によると、65歳の平均余命は男性が19.47年、女性が24.38年です。長寿化する日本では、非常に長いセカンドライフを送ることになります。

セカンドライフは長い

セカンドライフは長い

出所:厚生労働省「令和6年 簡易生命表」等を参考にLIMO編集部作成

仮に65歳で定年を迎え、その後22年間を過ごすと仮定し、食事や就寝時間を除いた1日14時間を自由時間とすると、その合計は11万2420時間にも上ります。これは、22歳から65歳までの現役時代の労働時間(1日8時間、年間250日、43年で8万6000時間と仮定)を大きく上回る時間です。

このように長期間にわたるセカンドライフを充実させるためには、経済的な備えが不可欠です。次章では、長い老後を支えるために、特に70歳代の世帯が実際にどれくらいの生活費で暮らしているのか、また貯蓄額はいくらなのかを見ていきましょう。