秋の気配が深まり、過ごしやすい季節となりました。しかし、シニア世代にとっては、穏やかな気候とは裏腹に家計の厳しさを感じている人が少なくありません。
厚生労働省の調査によると、高齢者の5割以上が「生活が苦しい」と感じているという衝撃的な事実が明らかになっています。
物価高騰が家計を圧迫する中、年金だけでは生活費を賄いきれない現状が浮き彫りになってきました。この記事では、70代夫婦の生活費や平均年金月額、そして貯蓄額の実態について、公的なデータをもとに詳しく解説します。
1. シニアの5割超が「生活苦しい」と感じている現状
まずは、現代の高齢者の生活意識について、厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」をもとに見ていきましょう。
上記調査によると、高齢者世帯の生活意識は以下のとおりです。
【高齢者世帯の生活意識】
- 大変苦しい:25.2%
- やや苦しい:30.6%
- 普通:40.1%
- ややゆとりがある:3.6%
- 大変ゆとりがある:0.6%
「大変苦しい」と「やや苦しい」を合わせた割合は55.8%にのぼり、シニアの間では「普通」と答えた人よりも、生活が「苦しい」と感じている人の方が多い結果となっています。