3. 専業主婦の「夫(会社員)がもらえる年金」はいくら?
年金受給額が少ない専業主婦の中には、会社員や公務員の夫の年金額を頼りにするケースもあるでしょう。
では、会社員や公務員として勤務し続けた夫は、いくらの年金を受給できるのでしょうか。
以下の条件で、平均年収別に年金受給額(国民年金+厚生年金)をシミュレーションします。
- 1973年生まれ
- 23歳から65歳到達まで会社員として勤務
- 65歳から年金受取を開始
シミュレーション結果は以下のとおりです。
3.1 平均年収ごとの目安年金受給額(額面)
平均年収|年金受給額の目安(額面)
- 200万円|月10万7000円
- 300万円|月12万7000円
- 400万円|月14万2000円
- 500万円|月16万2000円
- 600万円|月18万1000円
- 700万円|月19万7000円
- 800万円|月21万3000円
- 900万円|月23万4000円
厚生労働省の公的年金シミュレーターによると、平均年収900万円の夫は月23万4000円もの年金を受給可能です。
妻の年金受給額が、国民年金の満額となる月6万9308円の場合、夫婦の年金を合計すると月30万円以上の受け取れます。
一方で、夫の平均年収が300万円の場合にもらえる年金は月12万7000円ほどです。
仮に妻の年金受給額が月6万9308円の場合、夫婦合計での年金受給額は月20万円を下回ります。
この金額は額面なので税金や社会保険料が天引きされると、年金のみでの生活がより難しい世帯もあるかもしれません。
4. 世帯の年金受給額をチェックして「老後に向けた計画」を考えよう
重要なのは、世帯での年金受給額です。
ねんきんネットを使えば簡単に年金受給額をシミュレーションできるので、将来の年金受給額を知りたい人は、ぜひ世帯での年金受給額を把握しましょう。
また、老後に必要な毎月の支出も概算してみてください。
毎月の家計が赤字になることがわかれば、今から老後に向けた対策が必要です。
物価高のなかで大変かと思いますが節約や、新NISA・iDeCoなどの税制優遇制度を活用した資産形成を検討するなど、各ご家庭に合った方法で「老後のためのお金の準備」について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「第04話 日本の公的年金は「2階建て」」
- 厚生労働省「公的年金シミュレーター」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします 」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
- 金融庁「NISAを知る」
- iDeCo公式サイト「iDeCoってなに?」
苛原 寛