7. 元気で健康なら「働き続ける」のもひとつの選択肢
年金だけでは収入が不足しそうという方は、老後も働き続けるのも一つの選択肢です。
以下のデータのとおり、近年は65歳以上の老後世代の就労者が増加傾向です。収入の確保はもちろんですが、社会とのつながりや心身の健康維持の観点から勤労を継続する人も少なくありません。
給与所得者に限ったデータではありますが、たとえば65歳代後半の平均年収は年間約354万円です。
実際の働き方は人それぞれですが、フルタイムで働く場合には平均で月30万円近い収入が得られる計算です。
また、この月収なら在職老齢年金による調整にもかからないでしょう。働いて心身の健康維持に努めつつ、老後の家計のゆとりをもたせるのも一つの選択肢です。
8. ライフスタイルに合わせた老後計画を立てよう
この記事では、年金の仕組みや平均的な受給額について解説しました。
10月の年金支給では、一部の方で手取り額が変わる場合があります。これは、税金や社会保険料の控除額が見直されることなどが理由です。
また、世代ごとの平均受給額は参考になりますが、老後の生活は、年金に加えて貯蓄や資産運用、働き方など、複数の要素で成り立ちます。大切なのは、自分のライフスタイルに合わせた資金計画を立てることです。
今回の記事をきっかけに、ぜひご自身の年金の状況を客観的に確認し、老後の備えを見直してみてください。
参考資料
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「在職中の年金(在職老齢年金制度)」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
中本 智恵