長引く物価高騰を踏まえて、2025年10月より、生活保護における「生活扶助」が特例的に加算されます。

すでに2023年度と2024年度の2年間は、一人あたり月額1000円が特別加算されていますが、2025年10月からはさらに500円を上乗せし、月額1500円となります。

この措置は2年間の臨時的・特例的な対応であり、長引く生活費の上昇による家計負担を軽減することを目的としています。

そこで今回の記事では、生活扶助基準の見直しについて、生活保護制度の概要と合わせて解説します。

1. 生活扶助基準、2025年10月から月額1500円が加算

厚生労働省は、2025年度(令和7年度)と2026年度(令和8年度)の臨時的・特例的な対応として、生活扶助基準の加算を現在の月額1000円から1500円に引き上げることを決定しました。※入院患者や介護施設入所者は1000円

加算を行っても見直し前と比べて基準額が減額となる世帯については、従前の水準を維持する措置が取られています。

生活扶助は、生活保護のうち、食費や光熱費など日常生活に必要な費用を賄うために支給される扶助のひとつです。

生活扶助の基準額は、住んでいる地域(市区町村)、世帯構成、世帯員の年齢、各種加算などで決まりますが、一般の低所得世帯の消費実態に合わせるため、原則として5年ごとに見直しが行われています。

直近の検証は2022年に行われ、このとき、物価高騰への対応として2023年度と2024年度の2年間、一律で月額1000円の特例加算が導入されました。

今年度と来年度は、前述したように500円が追加され、1500円が加算されますが、2027年度以降については、社会経済の状況を見ながら改めて検討することになっています。

今後も同様の経済環境が続く場合には、再度加算が行われる可能性があります。