9. 【ご参考】厚生年金・国民年金の平均月額はいくら?

最後に、公的年金の平均額を見ていきましょう。年金生活者支援給付金の支給対象額を上回るのでしょうか。

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台でした。

国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》

国民年金・厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

厚生年金を平均額どおりに受け取る人は、給付金の対象外になります。

ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。

年金生活者が必ず低所得になるというわけではなく、年金生活者支援給付金の対象者になる人も、ならない人もいるとわかります。

10. まとめ

今回は、年金生活者支援給付金について詳しく解説しました。

この給付金は、手続きをしなければ受け取れません。漏れがないように、速やかに請求手続きを行いましょう。

年金生活者支援給付金は、年金生活を支える助けとなる大切な収入源です。しかし、受け取れる金額は平均で月額5000円程度で、家計を大きく好転させるとは言えません。

今、現役世代で老後の生活に不安がある方は、この給付金に頼る前提ではなく、自立して生活できるだけの老後資金を別途準備しておくことが大切です。

老後資金の準備方法や金融商品は多岐にわたりますが、最も重要なのは、ご自身のライフスタイルやリスク許容度に合ったものを選ぶことです。それぞれの制度や商品の特徴、メリット、そしてリスクを慎重に整理した上で、判断するよう心掛けましょう。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

鶴田 綾