3. 50歳代から始める「賢い資産形成」を考えてみよう
50歳代は子育てが落ち着き、老後資金づくりへの関心が高まる時期です。
「もう時間がない」と焦りを感じやすい年代ですが、この時期だからこそ取り組める資産形成の方法もあります。
収入が増える一方で、子どもの独立によって支出が減るケースも多く、貯蓄しやすい環境が整いやすいのです。
まずはライフスタイルの変化に合わせて家計を見直し、毎月どの程度を貯蓄に回せるかを把握してみましょう。
そのうえで余剰分を投資に回せるかどうかを検討することが大切です。
積立投資にはリスクが伴いますが、複利の力で資産を増やせる可能性もあります。
投資を考える際には、自分のリスク許容度、目標とする利回り、投資対象の商品、積立額といった要素を整理し、計画的に進めましょう。
また、近年は60歳を過ぎても働き続ける人が増えています。
働き方を見直して収入を確保すれば、老後資金の不足を補う手段にもなります。
資産運用と就労収入の両面から、老後に備えた収入確保の方法を考えていきましょう。
4. おわりに
本記事では、新NISA制度のポイントやシミュレーションを見てきました。
NISA制度は老後資金づくりの強い味方になりますが、投資である以上、元本が保証されるわけではなく、日々の値動きがある点は理解しておく必要があります。
大切なのは「リスクを理解したうえでどう向き合うか」です。そのためにも、ひとつの商品や手段に偏らず、分散投資を意識することが基本になります。株式、投資信託、債券など複数の手段をバランスよく取り入れることで、リスクを抑えつつ安定した資産形成につなげられるでしょう。
まずは利用できる選択肢を整理し、自分のライフプランやリスク許容度に合った方法を見極めることから始めてみてください。
参考資料
執筆者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
秋田県秋田市出身。宇都宮大学教育学部卒業後、株式会社栃木銀行に入行。主に個人リテール業務へ従事。若年層から富裕層まで幅広い世代へ投資信託・保険を中心に総合的なライフプランニングを行ってきた。リテール営業行員内で上位の成績を保ち、全行員内1位の成績を収める。また、社内教育にも尽力し、人材育成にも携わる。
現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。(2024年4月15日更新)
監修者
マネー編集部NISA班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験がある編集者が中心となり、金融庁や一般社団法人投資信託協会など官公庁等の公開情報等をもとにわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部NISA班貯蓄班に所属する編集者は野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵などの資産運用アドバイザー経験者等で構成されており、トップセールスで多数の表彰歴を持つ編集者など、表彰歴多数の編集者も複数在籍。株式や投資信託などを用いた豊富な資産運用、資産形成、老後資金のアドバイスなどの経験と知識を保有し、読者に正確な記事を届けています。
一種外務員資格(証券外務員一種)、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年6月9日)