物価の上昇が続いているため、日々の生活費に負担がかかり「なかなか貯蓄できない」という方もいるのではないでしょうか。

日本では物価高のなかでも「富裕層や超富裕層」が増加傾向にあります。

この記事では、富裕層と超富裕層が保有する「資産の合計額は、全世帯の何%を占めているのか」解説します。

あわせて、20歳代~70歳代の年代別で「貯蓄の平均・中央値」や、貯蓄100万円未満の割合をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

記事の後半では「いつの間にか富裕層」の特徴や、「世帯年収ごとの金融資産内訳」も見ていきます。

1. 【みんなの貯蓄額】20歳代~70歳代「平均・中央値」貯蓄100万円未満の割合は?

二人以上世帯の貯蓄額について、平均と中央値、ならびに「100万円未満の世帯の割合」を見てみましょう。

金融経済教育推進機構が公表している資料をもとにします。

2人以上世帯の貯蓄額《平均・中央値・世帯差》

2人以上世帯の貯蓄額《世帯差・平均・中央値》

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

1.1 全体「貯蓄の平均・中央値」貯蓄100万円未満の割合

  • 平均1374万円 中央値350万円
  • 貯蓄100万円未満の割合33.1%(うち貯蓄ゼロ世帯24.0%)

1.2 20歳代「貯蓄の平均・中央値」貯蓄100万円未満の割合

  • 平均382万円 中央値84万円
  • 貯蓄100万円未満の割合46.2%(うち貯蓄ゼロ世帯22.8%)

1.3 30歳代「貯蓄の平均・中央値」貯蓄100万円未満の割合

  • 平均677万円 中央値180万円
  • 貯蓄100万円未満の割合37.6%(うち貯蓄ゼロ世帯24.5%)

1.4 40歳代「貯蓄の平均・中央値」貯蓄100万円未満の割合

  • 平均944万円 中央値250万円
  • 貯蓄100万円未満の割合36.9%(うち貯蓄ゼロ世帯25.7%)

1.5 50歳代「貯蓄の平均・中央値」貯蓄100万円未満の割合

  • 平均1168万円 中央値250万円
  • 貯蓄100万円未満の割合37.9%(うち貯蓄ゼロ世帯29.2%)

1.6 60歳代「貯蓄の平均・中央値」貯蓄100万円未満の割合

  • 平均2033万円 中央値650万円
  • 貯蓄100万円未満の割合27.0%(うち貯蓄ゼロ世帯20.5%)

1.7 70歳代「貯蓄の平均・中央値」貯蓄100万円未満の割合

  • 平均1923万円 中央値800万円
  • 貯蓄100万円未満の割合26.2%(うち貯蓄ゼロ世帯20.8%)

貯蓄の平均値や中央値を見ると、年齢層が高くなるほど貯蓄額も増加する傾向が見られます。

しかし、どの年齢層においても、貯蓄額が100万円未満の世帯が30%~40%程度存在しています。

平均値よりも実態を捉えやすいとされる「中央値」を見ると、20歳代から60歳代までの各年齢層において、中央値は平均値の3分の1から4分の1程度です。

貯蓄額には、世帯間で大きな差があることがわかります。