75歳になると、後期高齢者医療制度に加入することになります。
では、後期高齢者医療制度の保険料は、74歳までの国民健康保険料と比較して高いのでしょうか、それとも安いのでしょうか。
本記事では、75歳になったら保険料が上がるのか、下がるのか「年金収入200万円の単身者」を例にシミュレーションします。
後期高齢者医療保険の概要や「年金収入195万円の人」における保険料の全国平均も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 75歳になったら後期高齢者医療制度に加入!
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を対象とした公的な医療保険制度です。
現役世代が加入する健康保険や国民健康保険とは別枠で運営されており、75歳に到達した時点で就業しているかどうかに関わらず自動的に本制度へ移行します。
また、後期高齢者医療制度は加入者の所得状況に応じて、医療費の自己負担割合が決まります。
2022年9月30日までは「現役並み所得者は3割」と「それ以外の一般所得者は1割」の2区分でした。
2022年10月1日から新たに「一定以上の所得がある人は2割負担」となる仕組みが導入され、現在は3つの区分で運用されています。
2. 【シミュレーション】後期高齢者医療制度に加入したら「保険料は上がる?下がる?」
75歳になると自動的に後期高齢者医療制度へ切り替わりますが、保険料は上がるのでしょうか、それとも下がるのでしょうか。
東京都新宿区在住の人を例に、74歳までの国民健康保険料と、75歳以上の後期高齢者医療保険料を比較してみましょう。
「単身世帯で収入は年間200万円の年金のみ」であることを条件にシミュレーションします。
74歳時点における国民健康保険料の試算結果は以下の通りです。
2.1 74歳時点の国民健康保険料(新宿区在住の年金収入200万円単身者)
- 医療分
- 均等割:4万7300円
- 所得割:(90万円-43万円)×7.71%=3万6237円
- 支援金分
- 均等割:1万6,800円
- 所得割:(90万円-43万円)×2.69%=1万2643円
- 合計(医療分+支援金分)
- 11万2980円(月額9415円)
国民健康保険料は、月9415円となります。
では、75歳になって後期高齢者医療制度に切り替わった後の保険料はいくらなのでしょうか。
シミュレーション結果は以下のとおりです。
2.2 75歳以降の後期高齢者医療制度の保険料(新宿区在住の年金収入200万円単身者)
- 均等割:4万7300円
- 所得割:(90万円-43万円)×9.67%=4万5449円
- 合計(均等割+所得割)
- 9万2700円(月額7725円)
シミュレーション結果によると、後期高齢者医療制度の保険料は月7725円となり、74歳時点の国民健康保険料よりも月2000円ほど安いです。
75歳になると、保険料は下がることがわかります。
実際の保険料は所得や居住地域などによって異なりますが、一つの目安にしてみてください。
3. 都道府県によって保険料は異なる!「年金収入195万円の人」全国平均はいくら?
後期高齢者医療制度は、居住する都道府県によっても保険料に差があります。
年金収入195万円の人を例にして、それぞれの都道府県における2025年度の保険料を確認してみましょう。
年金収入195万円の人の、都道府県別にみた保険料の目安は以下の通りです。
3.1 「後期高齢者医療制度」年金収入195万円の人の保険料(2025年度)
- 全国:5673円
- 北海道:6325円
- 青森県:5415円
- 岩手県:4808円
- 宮城県:5216円
- 秋田県:5042円
- 山形県:5283円
- 福島県:5056円
- 茨城県:5358円
- 栃木県:4991円
- 群馬県:5567円
- 埼玉県:5067円
- 千葉県:5008円
- 東京都:5355円
- 神奈川県:5440円
- 新潟県:4850円
- 富山県:5033円
- 石川県:5573円
- 福井県:5458円
- 山梨県:6003円
- 長野県:5156円
- 岐阜県:5400円
- 静岡県:5275円
- 愛知県:6117円
- 三重県:5475円
- 滋賀県:5371円
- 京都府:6180円
- 大阪府:6495円
- 兵庫県:6134円
- 奈良県:5833円
- 和歌山県:6125円
- 鳥取県:5892円
- 島根県:5618円
- 岡山県:5758円
- 広島県:5438円
- 山口県:6408円
- 徳島県:6033円
- 香川県:5892円
- 愛媛県:5719円
- 高知県:6100円
- 福岡県:6641円
- 佐賀県:6250円
- 長崎県:5792円
- 熊本県:6259円
- 大分県:6509円
- 宮崎県:5675円
- 鹿児島県:6592円
- 沖縄県:6410円
全国平均は月5673円ですが、もっとも高い福岡県の月6641円と、もっとも安い岩手県の月4808円とでは大きな差があります。
住む場所によって月1800円以上、年間で2万円を超える違いとなり、年金生活に少なからず影響を与えます。
なお、保険料の差は各地域での医療費水準の違いなどが影響しています。
4. 老後の生活に備えよう!
本記事で紹介した通り、後期高齢者医療制度の保険料は所得水準や居住地域などによって異なります。
これから老後を迎える人や75歳になる人などは、支出や収入の変化を事前に予測しておくことが重要です。
後期高齢者医療制度以外にも制度改正の影響を受けないか、受給できる給付金がないかなどを確認し、事前に対策や申請をおこないましょう。
参考資料
苛原 寛