2025年10月から生活保護制度の根幹を支えている「生活扶助」が引き上げられることになりました。
昨今の物価上昇の影響を受け、政府は生活保護受給世帯の家計を下支えすることが狙いと考えられます。
そこで本記事では、制度の概要を解説しつつ具体的にいくら引き上げられるのかについて紹介していきます。
生活保護受給世帯に該当する方はぜひチェックしてみてください。
1. 生活保護と生活扶助の概要
本章では、生活保護と生活扶助の概要を簡単に解説していきます。
1.1 生活保護とは?
生活保護は「健康で文化的な最低限の生活」を保障するための制度です。
生活に困窮するすべての国民をサポートすることを目的としており、国が生活に必要な費用を支給する仕組みです。
具体的には、生活費・医療費・住宅費・介護費などの合計金額が最低生活費として支援されます。
また、生活保護制度は単に生活を保障するだけでなく、生活に困窮している方の自立を支援する機能も併せ持っているのが特徴です。
1.2 生活扶助とは?
生活扶助とは、生活保護制度のなかで日常生活を営むうえで基本的な需要を満たすための扶助です。
具体的には、食費・光熱費・被服費といった費用が含まれます。そのため、生活扶助は生活保護受給者にとって重要な扶助のひとつです。
なお、生活保護制度には生活扶助のほかに7種類の扶助があります。
- 住宅扶助:アパートなどの家賃を補助する扶助
- 教育扶助:義務教育を受けるために必要な費用を補助する扶助
- 医療扶助:病気や怪我などの費用を補助する扶助
- 介護扶助:訪問介護といった介護サービスの費用を補助する扶助
- 出産扶助:出産にかかる費用を補助する扶助
- 生業扶助:資格の取得など就労に必要な費用を補助する扶助
- 葬祭扶助:葬儀を行うときに必要な費用を補助する扶助
いずれも生活をするうえで重要となる扶助ですが、2025年10月からの引き上げでは生活扶助に焦点が当てられています。次章で詳しく解説していきます。