3. 八大疾病の現状と医療費負担
2022年度の統計によると、八大疾病での死亡数は日本全体で156万人を超えています。三大疾病だけでも死亡率は46.2%に達し、これにその他の生活習慣病を加えると影響は非常に大きいといえます。
また、慢性膵炎は適切な治療を受けていれば死に至ることはありませんが、合併症を発症する頻度が高い病気として知られています。2011年の全国調査では、慢性膵炎の新規受療患者数は6万7000人程度とされています。
男性の発症頻度が女性の2.5倍と高く、これはアルコールやタバコなどの生活習慣が主要な要因となっています。
3.1 医療費負担の現実
八大疾病での1入院あたりの医療費は平均100万円前後となっていますが、脳梗塞や脳出血では200万円を超えるケースも少なくありません。高額療養費制度により自己負担は軽減されますが、一般的な収入世帯でも月額約8~9万円の負担が発生します。
長期治療が必要な場合はこの負担が継続的に発生するため、家計への影響は深刻です。また、差額ベッド代や食費、先進医療費用など、高額療養費制度の対象外となる費用も考慮する必要があります。
4. 八大疾病保険が必要な人・不要な人
ここからは八大疾病保険が必要な人と不要な人の特徴を見ていきましょう。
4.1 加入を検討すべき人の特徴
生活習慣病に幅広く備えたい人は、八大疾病保険の検討をおすすめします。特に家族や親戚で生活習慣病になった人がいる場合や、現在の生活習慣に不安がある場合は、早めに保険で備えておくことを検討しましょう。
治療費を貯蓄から賄うのが困難な人、治療の選択肢を増やしたい人も八大疾病保険の加入を検討してみましょう。特に、自営業者や個人事業主のように働けなくなった時の公的保障が限られている場合は、保険での必要性が高くなります。
4.2 加入の優先度が低い人
十分な貯蓄があり、治療費や当面の生活費を賄える人は、八大疾病保険の必要性は低いといえます。また、既に加入している医療保険で生活習慣病特約を付加している場合は、重複を避けるためにも現在の保障内容を確認することが重要です。
しかし、年齢や健康状態によってはそもそも八大疾病保険に加入できない場合もあるため、必要性を感じた時点で早めの検討をおすすめします。