収入水準が国が定める最低生活費を満たさない場合にもらえる生活保護。
厚生労働省の調査によると、2025年6月時点における生活保護の受給者は198万8497人です。
生活保護を受給している人の多さに、驚くかもしれません。
また、生活保護の「保護率」は都道府県によって異なります。
そこで本記事では、「保護率」が高い・低い上位10の都道府県を紹介します。
保護率が高い都道府県の特徴などもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 生活保護の申請件数は「前年度比で3.2%増加」
保護率が高い都道府県を確認する前に、まずは生活保護の申請件数を確認しましょう。
厚生労働省によると、生活保護の申請件数は増加が続いています。
2024年度の申請件数は25万9353件で、前年度比3.2%の増加となりました。
2020年度以降、申請件数は毎年前年度を上回っており、5年連続の増加となります。
2. 「保護率が高い」都道府県とは?
生活保護の「保護率」は都道府県によって異なります。
保護率が高い(生活保護を受ける人の割合が多い)上位10の都道府県は以下の通りです。
なお、保護率とは、実際に生活保護を受けている人数を日本の総人口で除した割合です。
- 1位 沖縄県:2.27%
- 2位 青森県:2.18%
- 3位 北海道:2.14%
- 4位 福岡県:2.08%
- 5位 東京都:1.93%
- 6位 大阪府:1.91%
- 7位 高知県:1.80%
- 8位 徳島県:1.73%
- 9位 鹿児島県:1.41%
- 9位 長崎県:1.41%
生活保護の受給率が高い地域には、共通点として世帯年収の低さが見られます。
総務省が公表した「2019年全国家計構造調査(所得に関する結果および家計資産・負債に関する結果)」によれば、世帯年収の低い都道府県は以下のとおりです。
- 1位 沖縄県
- 2位 鹿児島県
- 3位 高知県
- 4位 北海道
- 5位 宮崎県
1位の沖縄県は保護率の高い都道府県でも1位、2位の鹿児島県は保護率の高い都道府県で9位、3位の高知県は保護率の高い都道府県で7位と、一定の関係があることがわかります。
3. 「保護率が低い」都道府県とは?
次に、保護率が低い(生活保護を受ける人の割合が少ない)都道府県をみていきましょう。
保護率が低い上位10の都道府県は以下の通りです。
- 1位 富山県:0.27%
- 2位 福井県:0.34%
- 3位 岐阜県:0.40%
- 4位 長野県:0.42%
- 5位 石川県:0.43%
- 6位 愛知県:0.56%
- 7位 岡山県:0.55%
- 8位 島根県:0.59%
- 9位 新潟県:0.66%
- 10位 群馬県:0.67%
保護率が低い県には、製造業など雇用が安定した傾向にある産業が多いことや、持ち家比率の高さにより生活基盤が安定していることなどの特徴がみられます。
さらに、地域や親族の支え合いが強く、生活保護に頼らず生活を維持できるケースが多いことも考えられます。
4. 生活保護を「受給する要件」とは?
生活保護の保護率が高い・低い都道府県を確認しましたが、自分が生活保護の対象となりうるのか気になる人もいるでしょう。
生活保護の受給要件を確認します。厚生労働省「生活保護制度」によると、生活保護の受給対象者となる要件は以下のとおりです。
4.1 生活保護を受けるための要件
- 資産の活用:預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充てること
- 能力の活用:働くことが可能な人は、その能力に応じて働くこと
- あらゆるものの活用:年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合、まずそれらを活用すること
- 扶養義務者の扶養:親族等から援助を受けられる場合、援助を受けること
生活保護は、資産や収入、年金、各種手当、さらに親族からの扶養援助など、利用できるあらゆる資源を活用してもなお生活に困窮する人に限り受給できる制度です。
例えば、自宅に預貯金や換金可能な資産が一定額以上ある場合や、就労できるのに働いていない場合には、原則として生活保護の対象にはなりません。また、申請時には収入や資産状況の申告が必要であり、自治体による調査を経て受給の可否が判断されます。
5. まとめにかえて
生活保護の申請は、憲法で保障された国民の権利です。
経済的に困窮し、ご自身の力だけでは生活が難しい状況にある場合、ためらわずに国が定めた最後のセーフティネットである生活保護制度を頼ることを検討しましょう。
住む場所がない方や、手元に必要な書類がそろっていない方でも、まずは福祉事務所に相談することで、申請手続きを進めることが可能です。
一人で抱え込まず専門の窓口に相談することで、生活の立て直しに向けた一歩を踏み出すことが期待できます。
参考資料
苛原 寛