この秋は「食品の値上がりラッシュ」が続いています。そんな物価や賃金の動向を踏まえて、実は公的年金額は年度ごとに見直しがおこなわれています。その結果、2025年度の年金額例は以下の通りとなりました。
2025年度は前年度から1.9%の増額改定となりました。年金支給日である10月15日が間近に迫る今、ご自身の年金額がいくらになるのか、改めて確認しておきたいところです。今回は、最新の年金額改定情報を踏まえ、老後の生活設計に欠かせない公的年金の全体像を詳しく解説します。
1. 厚生年金「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」みんなの平均月額はいくら?
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金(国民年金部分を含む)の各年齢における平均年金月額を、1歳刻みで見ていきます。
なお、厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額(国民年金の月額部分を含む)を紹介します。
1.1 【老齢年金一覧表】「60歳代」厚生年金の平均月額
- 60歳:厚生年金9万6492円
- 61歳:厚生年金10万317円
- 62歳:厚生年金6万3244円
- 63歳:厚生年金6万5313円
- 64歳:厚生年金8万1700円
- 65歳:厚生年金14万5876円
- 66歳:厚生年金14万8285円
- 67歳:厚生年金14万9205円
- 68歳:厚生年金14万7862円
- 69歳:厚生年金14万5960円
1.2 【老齢年金一覧表】「70歳代」厚生年金の平均月額
- 70歳:厚生年金14万4773円
- 71歳:厚生年金14万3521円
- 72歳:厚生年金14万2248円
- 73歳:厚生年金14万4251円
- 74歳:厚生年金14万7684円
- 75歳:厚生年金14万7455円
- 76歳:厚生年金14万7152円
- 77歳:厚生年金14万7070円
- 78歳:厚生年金14万9232円
- 79歳:厚生年金14万9883円
1.3 【老齢年金一覧表】「80歳代」厚生年金の平均月額
- 80歳:厚生年金15万1580円
- 81歳:厚生年金15万3834円
- 82歳:厚生年金15万6103円
- 83歳:厚生年金15万8631円
- 84歳:厚生年金16万59円
- 85歳:厚生年金16万1684円
- 86歳:厚生年金16万1870円
- 87歳:厚生年金16万2514円
- 88歳:厚生年金16万3198円
- 89歳:厚生年金16万2841円
1.4 【老齢年金一覧表】「90歳以上」厚生年金の平均月額
- 90歳以上:厚生年金16万721円
※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含む。
一般的な老齢年金受給スタート年齢である65歳以降でみると、厚生年金の平均年金月額は14~16万円台でした。
2. 国民年金「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」みんなの平均月額はいくら?
同じく厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、国民年金のの各年齢における平均年金月額を、1歳刻みで見ていきます。
2.1 【老齢年金一覧表】「60歳代」国民年金の平均月額
- 60歳:国民年金4万3638円
- 61歳:国民年金4万4663円
- 62歳:国民年金4万3477円
- 63歳:国民年金4万5035円
- 64歳:国民年金4万6053円
- 65歳:国民年金5万9599円
- 66歳:国民年金5万9510円
- 67歳:国民年金5万9475円
- 68歳:国民年金5万9194円
- 69歳:国民年金5万8972円
2.2 【老齢年金一覧表】「70歳代」国民年金の平均月額
- 70歳:国民年金5万8956円
- 71歳:国民年金5万8569円
- 72歳:国民年金5万8429円
- 73歳:国民年金5万8220円
- 74歳:国民年金5万8070円
- 75歳:国民年金5万7973円
- 76歳:国民年金5万7774円
- 77歳:国民年金5万7561円
- 78歳:国民年金5万7119円
- 79歳:国民年金5万7078円
2.3 【老齢年金一覧表】「80歳代」国民年金の平均月額
- 80歳:国民年金5万6736円
- 81歳:国民年金5万6487円
- 82歳:国民年金5万6351円
- 83歳:国民年金5万8112円
- 84歳:国民年金5万7879円
- 85歳:国民年金5万7693円
- 86歳:国民年金5万7685円
- 87歳:国民年金5万7244円
- 88歳:国民年金5万7076円
- 89歳:国民年金5万6796円
2.4 【老齢年金一覧表】「90歳以上」国民年金の平均月額
- 90歳以上:国民年金5万3621円
※65歳未満で受給している国民年金の受給者は繰上げ受給を選択した方。
65歳以降の国民年金の平均年金月額は、いずれの年齢も5万円台でした。
3. 年金、税制改正で基礎控除拡大「年金受給者にどんな影響が出る?」
「令和7年度税制改正」により、所得税の基礎控除額が拡大されました。これによって、公的年金にかかる非課税枠が広がり、源泉徴収(天引き)される税額が少なくなる(あるいは対象外となる)年金受給者が増えることが今後予想されます。そして、結果として、多くの方の年金の手取り額が増えることにつながります。
これにともない、公的年金の源泉徴収の対象とならない年金額が、現行の「158万円未満→205万円未満」に引き上げられました。(65歳未満は「現行の108万円未満→155万円未満」に引き上げ)
令和7年分の公的年金における源泉徴収額の計算に用いる基礎控除額は以下の通りです。
3.1 【年齢別】令和7(2025)年の公的年金における源泉徴収額の計算に用いる基礎的控除額」
65歳以上
- 2025年12月の精算時
- 公的年金等の月割額×25%+10万円(16万5000円未満となる場合は、16万5000円)
- 2025年の各月の年金支払い時
- 公的年金等の月割額×25%+6万5000円(13万5000円未満となる場合は、13万5000円)
65歳未満
- 2025年12月の精算時
- 公的年金等の月割額×25%+10万円(12万5000円未満となる場合は12万5000円)
- 2025年の各月の年金支払い時
- 公的年金等の月割額×25%+6万5000円(9万円未満となる場合は9万円)
3.2 2025年分の所得税「源泉徴収と還付イメージ」
この改正により、2025年12月の年金支払い時に「1年間の最終的な税額」と「それまでに源泉徴収された税額」との間で精算がおこなわれ、過払い分が生じていた場合は、その差額が還付されます。
4. 年金、税制改正で今後は手取りが増える見込み
今回は、2025年度の年金額の増額改定と、年金収入にかかる税制改正という、老後の生活設計に直結する重要なトピックを解説しました。
物価や賃金の上昇にともない、2025年度の公的年金額は1.9%増額されることが決定しており、今後の支給額に反映されます。また、所得税の基礎控除額が拡大されたことで、年金にかかる非課税枠が広がり、源泉徴収される税額が少なくなる(あるいは対象外となる)受給者が増える見込みです。結果として、年金の手取り額が増える効果が期待できるため、多くの方の家計にとってプラスの影響となります。
ご自身の年金受給額や税負担の最新情報を確認し続けることが、今後の安心できる生活を送るための大切な一歩となります。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
長井 祐人