3. NISAとあわせて検討したいiDeCo
NISAとあわせて、現役世代にとって資産形成の選択肢となるのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
iDeCoは加入者が掛金を拠出し、自分で運用商品を選んで老後に備える私的年金制度です。
iDeCoにはNISAと同じように、運用益が非課税になる税制優遇があります。
さらに、iDeCoで拠出した掛金は全額所得控除の対象となるため、現役時代の税負担を軽減しながら老後資金を用意できます。
iDeCoでは、元本確保型商品(定期預金・保険商品)と元本変動型商品(投資信託)から、自分のリスク許容度に合わせて運用商品を選べます。
なお、iDeCoでは60歳まで運用している資産を引き出せません。途中で引き出すことを未然に防げるため、半強制的に老後資産を用意できる制度です。
今後結婚や出産などのライフイベントが控えている方は柔軟性に優れているNISA、ライフイベントが一通り終了し、老後資産を集中的に用意したい方はiDeCoを活用するとよいでしょう。
4. まとめにかえて
15年間の積立投資シミュレーション結果から、年2%程度の利回りでも1000万円超の資産形成が可能です。
投資にはリスクが伴うものの、長期継続により収益が平均に収れんする傾向があります。長期投資を実践すれば、投資が報われる可能性が高まるでしょう。
NISAは運用益非課税に加え、2024年の制度改正で年間投資枠が360万円に拡大し、いつでも引き出し可能な柔軟性があります。
一方、iDeCoは運用益非課税と所得控除のダブル優遇があり、60歳まで引き出せない制約が逆に強制的な老後資産形成につながります。
ライフステージに応じてNISAとiDeCoを使い分け、税制優遇を最大限活用した計画的な資産形成を実践しましょう。
参考資料
柴田 充輝