少しずつ朝晩が涼しくなり、季節の移ろいを感じる頃となりました。気候の変化にあわせて、生活やお金について改めて見直す良いタイミングかもしれません。

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金収入だけで100%生活している世帯は全体の43.4%にとどまっています。

つまり、およそ6割の高齢者世帯は年金だけでは暮らしを維持できず、就労収入や貯蓄の取り崩しで不足分を補っているのが実情です。

この状況を踏まえると、現役のうちから「定年後にお金で困らないための資金準備」を進めておくことが欠かせません。

本記事では、元銀行員としての経験から、定年後にお金の不安を抱えない人に共通する5つのポイントを紹介します。

また、各年代の平均貯蓄額もあわせて掲載していますので、ご自身の貯蓄額と比較しながら参考にしてみてください。

1. みんなの貯蓄額はいくら?「20歳代〜70歳代」の平均貯蓄額

最初に、「20歳代・30歳代・40歳代・50歳代・60歳代・70歳代」の平均貯蓄額を、単身世帯と二人以上世帯に分けて見ていきましょう。

1.1 【単身世帯】20歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」はいくら?

金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、20歳代〜70歳代・単身世帯の「平均貯蓄額」は下記のとおりです。

【単身世帯】20歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」

【単身世帯】20歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」

金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を参考に筆者作成

  • 20歳代:平均値161万円・中央値15万円
  • 30歳代:平均値459万円・中央値90万円
  • 40歳代:平均値883万円・中央値85万円
  • 50歳代:平均値1087万円・中央値30万円
  • 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
  • 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円