9月は夏の喧騒が落ち着き、もの思いにふけるのに適した季節です。人生の節目である還暦を迎える人々にとっても、これまでのキャリアを振り返り、これからの人生をどう過ごすか考える時期ではないでしょうか。
PGF生命の調査によると、2025年に還暦を迎える人々は、貯蓄額に大きな差が見られる一方で、多くの人が60歳以降も働くことを希望しているようです。その背景には何があるのでしょうか。
本記事では、還暦人の貯蓄や就労意向の調査結果を深掘りするとともに、65歳以上のシニア世帯の貯蓄事情や年金受給額の現状を比較し、多様化する老後のマネープランを考察します。
1. 2025年に60歳を迎える人の貯蓄額はいくらか?
PGF生命では、2025年に還暦を迎える1965年生まれの人(以下、還暦人「かんれきびと」)2000名を対象にさまざまな調査を行いました。
ここでは、現時点での還暦人の「貯蓄額」や、今後の就労意向などをピックアップして調査結果をご紹介します。
1.1 還暦人のお金事情《平均貯蓄額は2460万円・中央値は475万円》
還暦人の現段階の平均貯蓄額は2460万円、中央値は475万円です。
100万円未満が30.0%と最多になっており、100~300万円未満(15.8%)、500~1000万円未満(11.8%)、1000~1500万円未満(9.8%)と続きます(表1参照)。
これから退職金を受け取り貯蓄額が増える世帯もあるでしょう。