3. 【繰上げ受給】長生きしたら損?「最大24%の減額が一生涯続く」
まず本人への影響としては、繰上げによって早く受け取れる安心感がある反面、その後の受給額は一生にわたり減額されたままとなります。昭和37年4月2日以降生まれの方の場合、ひと月あたり0.4%ずつ減額され、60歳0か月から受け取ると合計で24%減額となります。「最大24%の減額が一生涯続く」となれば、家計にもかなりの影響を及ぼすのではないでしょうか。
さらに、いったん繰上げ請求をすると取消しはできず、任意加入や追納、障害年金の請求など将来の選択肢も制限される点に注意が必要です。
また、65歳になるまでの間は、雇用保険の高年齢雇用継続給付(60歳から65歳までの間、賃金が60歳時点の賃金から75%未満に低下した場合に支給される給付金)との関係で、年金が一部停止されることがあり、受け取れる額がさらに減るケースもあります。
結果として、長生きすればするほどトータルでは損になる可能性が高く、慎重な判断が求められます。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)