3. 【繰上げ受給】長生きしたら損?「最大24%の減額が一生涯続く」
まず本人への影響としては、繰上げによって早く受け取れる安心感がある反面、その後の受給額は一生にわたり減額されたままとなります。昭和37年4月2日以降生まれの方の場合、ひと月あたり0.4%ずつ減額され、60歳0か月から受け取ると合計で24%減額となります。「最大24%の減額が一生涯続く」となれば、家計にもかなりの影響を及ぼすのではないでしょうか。
さらに、いったん繰上げ請求をすると取消しはできず、任意加入や追納、障害年金の請求など将来の選択肢も制限される点に注意が必要です。
また、65歳になるまでの間は、雇用保険の高年齢雇用継続給付(60歳から65歳までの間、賃金が60歳時点の賃金から75%未満に低下した場合に支給される給付金)との関係で、年金が一部停止されることがあり、受け取れる額がさらに減るケースもあります。
結果として、長生きすればするほどトータルでは損になる可能性が高く、慎重な判断が求められます。