3. 一定の要件に該当する場合、年金から《社会保険料や税金》が控除される
月額20万円以上の厚生年金+国民年金を受給しても、その金額がそのまま口座に振り込まれるわけではありません。
公的年金からは、一定の要件に該当する場合、以下の社会保険料や税金が控除(特別徴収)されるためです。
- 介護保険料
- 国民健康保険料(税)
- 後期高齢者医療保険料
- 住民税
- 所得税(該当する場合)
なお、控除(特別徴収)される要件は、受給している年金の種類や年金額などにより異なります。
年金から社会保険料や税金が特別徴収される方には、市区町村からお知らせがあるため、各自確認しておきましょう。
実際に口座に振り込まれる金額は、毎年6月に日本年金機構から送付される「年金振込通知書」で確認可能です。
通知書内の「控除後振込額」が実際に口座に振り込まれる金額になります。
「年金支払額」は控除前の金額であることに注意しましょう。
4. 老後の生活費を「公的年金でまかなえない場合」に備えておきましょう
シニア世代の公的年金の平均受給額は、厚生年金+国民年金が約14万6000円、国民年金が約5万7000円です。
厚生年金+国民年金を年額240万円以上、つまり月額20万円以上受給している方は、わずか16.3%にとどまっており、国民年金のみを受給している方を加えると、さらに少ない割合になると考えられます。
老後の生活費を公的年金でまかなえない場合に備えて、早いうちから公的年金以外の方法で老後資金を準備する必要があります。
預貯金をはじめ、新NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用も検討しながら、早めに準備にとりかかることをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
木内 菜穂子