2. 「後期高齢者医療制度」の自己負担割合は所得によって決まる

現役世代の場合、病院を受診したとき、医療費を10割とすると本人が支払うのは3割という方が多いです。

一方で後期高齢者医療制度における医療費の自己負担割合は、「1割」「2割」「3割」のいずれかに区分され、所得によって毎年決まります。

例えば1割負担の方が、不動産売却により一時的に所得があがったことにより、翌年の医療費自己負担割合が3割になるというケースもあります。

筆者は元公務員として後期高齢者医療制度の担当をしていましたが、こうした相談は毎年ありました。税金や社会保険料が高くなることは覚悟していたものの、医療費(介護も)が高まることは想定外だったというケースです。

さらに負担割合の改定は8月1日であるため、中には2年前の所得増が影響することもあるので、注意が必要です。

また、2022年10月1日に「2割負担」が導入されたことにより、一定以上の所得がある方については負担割合が2割へと引き上げられました。

医療費が単純に2倍になる計算です。

厚生労働省の推計によると、2割負担の対象となるのは約370万人であることから、後期高齢者医療制度の加入者全体の約2割を占める形です。