秋風が心地よい季節になってきた10月、朝は少し肌寒くも感じますね。そんな10月は今年5回目となる年金支給日があります。そんな年金について、日本の公的年金制度は、全国民が加入する国民年金(1階部分)と、会社員などが上乗せで加入する厚生年金(2階部分)からなる「2階建て構造」が特徴です。

国民年金の保険料は一律で、老後の受給額(老齢基礎年金)は満額で月額6万9308円(2025年度)と定められています。一方、厚生年金は収入に応じた保険料で、受給額は加入期間や納めた保険料により個人差が出ます。

そのため、個々の年金受給額は、加入状況によって差がある公的年金の合計額となりますが、公的年金のみでは老後の生活に不安を感じ、iDeCoなどの私的年金(3階部分)を準備する人も増えています。

この記事では、これらの制度を踏まえた上での年金の平均月額に焦点を当てて解説。また、年金の繰上げ受給・繰下げ受給についてもわかりやすく紹介していきます。

1. いまどきシニアの年金情報、2025年度「もらえる年金が増えている?」

公的年金は、毎年物価や賃金の変動を反映して見直されています。2025年度の年金額は、前年度より1.9%引き上げられています。

公表された年金額例を見ると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円となっています。

また、厚生年金は、モデルケース「厚生年金を受け取る会社員の夫+国民年金を受け取る妻」の世帯の場合、月額23万2784円です。

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準