来月10月15日は今年5回目の年金支給日となります。2025年度の年金額は3年連続でプラス改定されていますが、物価上昇やマクロ経済スライドによる調整で、年金は「実質目減り」しているのが実態です。では、実際の年金受給額はいくらなのでしょうか?
今回は厚生労働省の最新データをもとに、国民年金と厚生年金の平均受給額や、将来の働き方による年金の差について解説します。
1. 【国民年金+厚生年金】プラス改定だけど実質目減り?
2025年度の公的年金額は3年連続プラス改定となり、前年度より+1.9%引き上げられました。6月に支給された4月の年金から増額率が適用されています。
1.1 2025年度の年金額例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
国民年金(老齢基礎年金)の満額は、国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受け取ることができる、1人分の年金額です。
厚生年金は40年間「会社員として月額45万5000円(平均)を稼いだ夫」と「ずっと専業主婦もしくは自営業だった妻」の組み合わせをモデル世帯と想定。「夫の老齢厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金」として年金額例が提示されています。
さて、3年連続のプラス改定となった一方で、実は年金そのものは「実質目減り」となっていることをご存じでしょうか。