9月になり、季節は秋へと移り変わりつつあります。読書の秋、食欲の秋といった言葉を耳にすることも増え、日々の暮らしを見直すにはちょうど良い季節です。

老後の生活を考えるうえで気になるのが「年金だけで生活できるのか」という点。実は、公的年金に加えて一定の条件を満たす方が受け取れる「年金生活者支援給付金」という制度があります。

年金受給者の生活を支えるために設けられた恒久的な給付で、対象となれば家計の助けになる心強い仕組みです。

本記事では、この給付金の概要や給付基準額、対象者の条件、申請方法についてわかりやすく解説します。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

1. 【年金】みんなの厚生年金・国民年金、平均はいくら?

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》

国民年金・厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。

1.1 年金以外の収入を得る老後世帯はおよそ56%

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけの収入で生活する世帯は全体の43.4%となっています。残りの約56%は年金以外の収入も得ながら生活している状況となります。

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の 総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

実態として、労働などを通じて年金以外に追加の収入を得ている状況です。言い換えれば、多くの世帯が年金による収入では「足りない」と感じていると考えられます。

さて、年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の低所得となる場合には「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることをご存じでしょうか年金による収入では不充分と感じている方は、自分が給付金の受給対象になっていないか確認してみましょう。