国から受け取れる年金は、物価上昇に合わせて増えていくのが一般的です。また、年金に上乗せで支給される給付金についても、今年は増額となりました。
その中の一つ、「年金生活者支援給付金」は、年金の収入が低く、老後の生活が困難になってしまう世帯へ向けた制度です。
対象となる世帯には、年に一度緑の封筒が届きます。受け取りには申請が必要なため、忘れずに申請をしましょう。
今回は、そもそもこの給付金はどのような制度なのかを解説していきます。
1. 「年金生活者支援給付金」って何?
年金生活者支援給付金とは、年金を含めても所得が低い方の生活を支援するために、年金に上乗せして支給される給付金です。
1.1 年金生活者支援給付金の財源
年金生活者支援給付金財源は、消費税率引上げ分があてられてます。
「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
1.2 「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の要件
3種類あるうち「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が472万1000円以下の人が対象です。給付金の判定には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれず、扶養親族等の数に応じて基準額は増額されます。
残りの「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件は、少し複雑です。
1.3 「老齢年金生活者支援給付金」の要件
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下である
老齢年金生活者支援給付金の判定にも、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。