3. 月13万円で生活できる?シニア世代の支出と比較
月13万円の収入で、シニア世代は支出を賄えているのでしょうか。総務省の「家計調査」をもとに、65歳以上の夫婦世帯・単身世帯の支出額を見てみましょう。(詳細以下画像)
- 夫婦世帯:25万6521円
- 単身世帯:14万9286円
夫婦世帯では、自身・配偶者どちらも月13万円の手取り年金を受け取って、ようやく黒字になる状況です。専業主婦世帯で、自身の手取り年金が月13万円の場合、赤字は避けられないでしょう。
単身世帯においても、支出は平均で約15万円と収入以上の金額が家計から出ていく状況です。毎月ほぼ赤字となるため、年金以外の収入や貯蓄が必須といえます。
内訳を見てみると、食費や交通・通信費の支出が多いようです。食費は物価上昇もありなかなか削減できませんが、通信費についてはキャリアやプランの変更、不要なオプションの削除などで、料金を削減できる可能性があります。シニアになっても、家計を上手にやりくりする工夫が必要といえそうです。
4. まとめ
厚生年金が月15万円あっても、実際に受け取れるのは13万円ほどです。月13万円の手取りでは、なかなか支出を賄えず赤字が当たり前となっているのが現状です。
早いうちから資産を備えていく、固定費を削減するといったように、生活にゆとりを保つための工夫が求められています。
〈参考〉厚生年金の平均受給額
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
参考資料
- 国税庁「高齢者と税(年金と税)」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 日本年金機構「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 総務省「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
石上 ユウキ