5. 【申請しないと1円も受け取れない】「年金生活者支援給付金」の請求方法は?

年金生活者支援給付金を受け取るためには、必ず請求手続きが必要です。

対象者には通知を兼ねた請求書が郵送されますが、これを記入・提出しなければ1円も支給されません。

日本年金機構から送付される書類は、年金の受給状況によって異なります。

本章では、「これから年金を受け取り始める人」と「すでに年金を受給している人」の2つのケースに分けて説明します。

※繰上げ受給を選んだ人には、本章で紹介するものとは異なる様式の書類が届きます。

5.1 ケース1:これから年金を受給スタートする人

これから年金の受給を開始する人が年金生活者支援給付金の対象となった場合、老齢基礎年金の請求書に給付金請求書が同封されています。

必要事項を記入したうえで、老齢基礎年金の請求書とあわせて提出する必要があります。

新規に老齢年金を受給する人の申請方法

65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する場合の申請方法

出所:日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」

5.2 ケース2:既に年金を受給している人

すでに年金を受給している人が新たに年金生活者支援給付金の対象となった場合は、毎年9月1日以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次送付されます。

届いた請求書の所定欄に必要事項を記入し、切手を貼って返送することで申請手続きが完了します。

年金生活者支援給付金は、近年実施されている「住民税非課税世帯向け給付金」などの一時的な支援とは異なり、要件を満たしている限り継続的に受け取れる恒久的な制度です。

申請は初回のみで、2年目以降は基本的に毎年の手続きは必要ありません。

ただし、要件を満たさなくなった場合には「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、その時点で支給は終了します。

6. 年金生活者支援給付金は支給対象となる方の「生活支援」を目的としています

今回は、基礎年金を受給していて所得が一定基準額以下となる方への生活支援を目的としたとした「年金生活者支援給付金」について、制度の概要や支給対象者などを確認していきました。

2025年度の給付基準額は前年度より2.7%増額改定されていますが、それを上回るペースで上がる物価上昇率を加味すると、十分な上がり幅とまではいいにくいですね、

とはいえ年金だけでは不足する世帯にとって、日々の生活の助けとなる制度であることには違いありません。

支給対象者に当てはまる場合は、請求手続きを忘れないよう気を付けましょう。

参考資料

荻野 樹