澄み切った秋空が広がる季節となりましたね。
さて、公的年金の支給日である10月15日が間近ですが、この日「年金生活者支援給付金」を受け取る方がいるのをご存じでしょうか。
この給付金は、「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類があり、ご自身の受給している基礎年金の種類によって支給要件や金額が異なります。
本記事では、この「年金生活者支援給付金」がどんな人に・いくら支給されるのか詳しく解説していきます。
1. 【2025年度】年金額は1.9%の増額に!「国民年金・厚生年金」の年金額例はいくら?
厚生労働省は2025年度(令和7年度)の年金額を発表し、前年度比で1.9%の引き上げとなりました。
これで3年連続のプラス改定となりましたが、「マクロ経済スライド(※)」の影響により、物価上昇率を下回る改定率となっています。
結果として、実質的には年金額が目減りし、物価上昇に追いついていない状況です。
※マクロ経済スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ
1.1 厚生年金でも「低年金になる」可能性があるって本当?
厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金の受給実態を確認してみましょう。
【国民年金】平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
【厚生年金】平均年金月額
※国民年金部分を含む
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
国民年金の平均受給額は、全体・男女ともに5万円台となっています。
厚生年金の平均は14万円台で、その内訳をみると男性は16万円台、女性は10万円台でした。
なお、これらは平均値にすぎず、グラフからもわかるように、国民年金の受給者だけでなく、厚生年金の受給者の中にも月額5万円未満という低年金層が一定数存在しています。
年金と他の収入を合わせても一定水準に届かない場合には、「年金生活者支援給付金」の対象となる可能性があります。
次に、「年金生活者支援給付金」という制度について詳しく見ていきましょう。