「正しい答え」を教えてあげることも大切だけど、それと同じくらい大切なのは「一緒に考えて、なんでだろう?を共有すること」なのではないでしょうか。

今の時代、子どもからの質問のほとんどは、インターネットを検索したらあっという間に回答が得られます。中には、「子どもの難しい質問には、こんなふうに答えよう」なんて回答例を教えてくれるサイトも。

そのようなツールに助けてもらって子どもの「なぜ?」を解決してあげて、知的好奇心を満たしてあげることも、もちろん大事。でも、もし、あなたの心と時間に余裕があれば、一緒にその疑問を楽しんでみてはいかがですか?

「なんでお月さまは丸いの?」という質問に、なぜかをきちんと説明してあげる前に、「なんでだろうね。どうしてだと思う? もしかしたら、○○ちゃんが、お絵描きしやすいように、ニコニコのお顔を描きやすいように、まん丸になってくれてるのかもしれないよ?」なんて、親子オリジナルの回答を作ってみるのも、ロマンがあって楽しいものだと思いませんか。

子どもたちの「なぜ?」「どうして?」の背景には、「何か、新しい『面白い』に出会えるかもしれない」という小さな期待と願いが込められているような気がします。それはときに正しい答えの場合もあるし、ママやパパと一緒に「空想の翼を広げる時間」の場合もあるような気がします。

子どもたちの質問の答えがわからないときは、正直に「わからない」と答えてもいいのかもしれません。その代わり、「わからないから一緒に『なんでか』を考えてみようね」と言ってあげる。たとえ一緒に考えた答えが不正解でも、毎日に彩りとユーモアを与えてくれる小さじ一杯程度のカワイイ嘘なら、閻魔さまも片目をつぶって見逃してくれるに違いありません。

子どもの質問に気づかされることも

大人が疑問にも思ったこともないことや、当たり前だと思っていたことをふいうちで質問されると、上手く言葉が出てこないこともあります。また、子どもの質問に「そう言われてみれば、なんでなんだろう…?」と気づかされることも。

たまに笑えないシビアな質問もありますが、子どもたちと一緒に「なぜ?」を楽しめたら、きっと毎日がもっとワクワクするはずです。

大中 千景