8月15日は2ヶ月ぶりの年金支給日です。

老後生活を支える大切な年金ですが、金額を増やしたい場合に選択肢のひとつとなるのが「繰下げ受給」です。

しかし、繰下げ受給を開始する前に急にお金が必要になったとき、今まで受給していなかった年金を一括して受け取りたいというケースも考えられます。

本記事では、繰下げ受給する予定であった年金を一括して受給できるかについて解説します。

2023年4月に新設された「特例的な繰下げみなし増額制度」も紹介しますので、繰下げ受給を検討している人は確認しておきましょう。

1. 【老齢年金】繰下げ受給とは

老齢年金は原則65歳から受給開始しますが、受給開始時期を遅らせて66歳以降に年金を受け取ることを「繰下げ受給」と呼びます。

繰下げ受給すると、受給開始が遅くなる代わりに年金額は増えます。

繰下げ受給による増額率は1ヶ月あたり0.7%です。繰下げ受給ができるのは66歳から75歳の間で、月単位で受給開始時期を選択できます。

75歳から受給開始すると、年金額は82%(=0.7%×120ヶ月)も増えます。

増額した年金は一生涯続くため、長生きして生活費が足りなくなる「老後破綻」対策として効果が期待できます。

一方、受給開始から短期間で亡くなった場合、年金の総受給額が少なくなるというデメリットもあります。