2. 厚生年金の受給額
厚生年金に加入していた方は、国民年金とあわせて厚生年金を受給できます。
- 全体の平均年金月額:14万6429円
- 男性の平均年金月額:16万6606円
- 女性の平均年金月額:10万7200円
女性は結婚・出産・子育てなどの理由で職場を離れることが多く、男性に比べて厚生年金の加入期間が短い傾向にあります。
厚生年金は加入期間や報酬に基づいて受給額を計算するため、女性のほうが年金額が低くなりやすいのです。
3. 老後資金は「必要額を正確に算出できない」その理由とは?
老後資金の必要額を事前に判断することは、現実的には不可能です。
その最大の理由は、私たちの寿命が予測できないことです。平均寿命は統計的な数値であり、個人の実際の寿命とは大きく異なる可能性があります。
80歳で人生を終える方もいれば、100歳を超えて元気に過ごす方もいます。
この20年以上の差は、必要な老後資金に数千万円単位の影響を与えるでしょう。
さらに、老後の生活費についても正確な予測は困難です。
現在の生活スタイルが将来も続くとは限らず、健康状態の変化によって医療費や介護費用が大幅に変動する可能性があります。
また、インフレーションの影響で物価が上昇すれば、同じ生活水準を維持するためにより多くの資金が必要になります。
年金制度の変更や税制改正なども、老後の収支に影響を与える要因となるでしょう。
これらの不確定要素を考慮すると、「老後資金は2000万円必要」のような、画一的な数字に依存することの危険性が見えてきます。
個人の状況や将来の変化を完全に予測することは不可能であり、固定的な目標額に縛られすぎると、かえって適切な準備ができなくなる恐れがあります。