4. 貯蓄不足がわかったら?今すぐ行うこと
老後を暮らしていく上で貯蓄不足が分かったら、行うべきは支出の見直し、収入を得る方法を検討することです。
とはいえ、既にリタイアした方が、新たに収入を得たり、大きく増やしたりするのは難しいのが現状です。既に支出の見直しを行っていて、生活が苦しい場合は行政に相談したり、自分が利用できる公的制度が無いか確認してみるのもひとつの方法です。
リタイア前の世代で将来的に老後資産が不足する世帯は、以下の選択肢を検討してみましょう。
- できるだけ長く働き、できれば厚生年金に加入する
- 繰下げ受給を活用する
- 付加年金を活用する(※国民年金加入者)
- 定期預金に預ける、国債を購入する
- iDeCoやNISAなどで資産運用をおこなう
- 家計を管理するノウハウを今から身に付けておく など
加齢とともに健康不安も増してくるのが、シニアの悩みではありますが、健康で働けるうちは、可能なかぎり働くことをおすすめします。貯蓄を大きく減らさずに生活ができるほか、厚生年金の加入期間も延び、将来の年金額も増加します。また、賛否はあるものの、繰り下げ受給も選択肢に入るでしょう。
自分が働く以外ではお金に働いてもらうという方法もあります。今まではメリットの少なかった定期預金や個人向け国債も、金利上昇によって選択肢に入るようになりました。
とくに変動10年の個人向け国債は、金利情勢に合わせて金利が見直されるのがメリットです。リスクも低いので、安全性を重視したい方は検討してもよいかもしれません。老後まで時間のある現役世代の方は、iDeCoやNISAを利用して長期投資を目指してみるのもよいでしょう。
国民年金の加入者は、国民年金基金や付加年金の加入を検討してみてください。とくに付加年金は月々400円で「200円×付加保険料納付月数」が年金に上乗せされ、上乗せ自体は一生涯続くのがメリットです。
5. まとめにかえて
今回の記事では、70歳代の夫婦世帯にスポットを当て、貯蓄額や年金額などから、その生活ぶりを探ってみました。
半数以上の方が生活に苦しさを感じており、その背景には収入の大半が年金頼りであること、物価高により支出が増えたこと、赤字を補填するには少ない貯蓄額などが挙げられます。
多くの方にとって年金は生活の柱であることから、未納がある方などは可能な限り追納するほか、できるだけ長く働いて収入を増やすことも必要になるかもしれません。
将来にいくら必要になるかは、個々のライフスタイルによって異なります。まずは公的年金の支給予定額や、将来のシミュレーションを通じて、必要となるお金を計算してみてはいかがでしょうか。