実家は車で1時間ほどのところですが、祖父母はまだ全員働いています。もうすぐ定年を迎えますが、体力が落ちてくる年代でもあります。

子どもがかかる感染症は、中には大人が感染したり、重症化するものも。「疲れやすくなった」「すぐに風邪がうつる」「熱中症になってから体力が落ちた」「咳が長引いて長年吸っていたタバコをやめた」等と口にする祖父母達に、毎月のように熱を出す子ども達の看病を頼むことはできないと感じています。

「せめて末っ子が入学したら」と思えば、その頃筆者は40歳。40代での転職は、さらに選択肢が限られるでしょう。また、周囲からは40代は体力が落ちるという話も聞きます。

もう一つ気になるのが、子育てを終えた女性が再就職しても、年収300万円に到達する人は10%という数字※。一方で、出産して離職する女性は60%。日本では、出産で離職した女性が再就職して以前と同じように働くのは、まだまだ難しいのが現実です。

※「転職女性、理想と現実の年収差117万円」(「これからの転職。」事業運営:株式会社ビースタイル)

出産・子育て・転勤を考えた職業選びをしなかった

そもそも現在30代半ばの方は、女性も「大学に入り、大企業に就職を」と教育された人が少なくないでしょう。周囲には「パートがいい」と口にする女性もいますし、「やりたい仕事があるけれど子育てをしているとできない」という女性もいます。

進学や就活をした当時、妊娠・出産・子育て、さらに夫の転勤や引っ越しを考えた職選びができていなかったことを、ここにきて思い知らされることとなりました。

そうはいっても、過去を悔いたり、できないことを並べていても仕方がありません。今34歳なら、60歳で退職するとしてもあと26年、65歳定年なら30年以上働くことになります。子どもが成人しても仕事は続けるものですし、親になっても自分の人生を生きるのが人間です。

人生において自分が一番若いのは、いつでも今、このとき。どんな状況であれ、今できることを考え、選択し、始めるしかありません。そういった意味では、34歳はこれまでの人生を振り返り、今後の生き方を考える良いキッカケにもなると言えるでしょう。

子育て中の今だけでなく、子どもが成人した後、そして自分の人生を総合的に判断し、仕事について考えていきたいと思います。

永山京子