9月になり、暑さも少しずつ和らぎ、秋風が心地よい季節になりました。読書の秋、食欲の秋などと表現されるように、この時期は気持ちに少しゆとりが生まれるかもしれません。
しかし、一方で老後の生活に対して「ゆとりがある」と回答している高齢者は、わずか4%程度にとどまっています。5割を超える方が「生活が苦しい」と感じる中、どのような要因が老後の生活を圧迫しているのでしょうか。
この記事では、高齢者の家計事情や年金受給額の実態をデータからひも解き、老後の生活に迫る課題を解説します。ご自身の老後資金について考えるきっかけとして、ぜひ最後までお読みください。
1. 「生活苦しい」高齢者は5割超も
まずは現代の高齢者の生活意識について、7月4日に公表された厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」より見ていきましょう。
上記によれば、高齢者世帯の生活意識は以下の通り。
1.1 高齢者世帯の生活意識
- 大変苦しい:25.2%
- やや苦しい:30.6%
- 普通:40.1%
- ややゆとりがある:3.6%
- 大変ゆとりがある:0.6%
大変苦しいとやや苦しいを合計した「苦しい」は55.8%。
高齢者で「普通」と答えた人よりも、「苦しい」と感じている人が多くなっています。