高校生になると学区が広がるため、徒歩だけではなく電車やバスといった公共交通機関を利用するなど、通学方法の幅が広がります。なかには、自転車で通学する生徒もいるのではないでしょうか。
自転車利用時のヘルメット着用が努力義務化され、さらには罰則も強化されたこともあり、気になるのが通学で自転車を利用する際の安全意識です。
高校生のヘルメット着用による意識や行動の変化、そして交通ルールの認知度について見ていくとともに、気になる新しい自転車の罰則についてもご紹介します。
1. 「ヘルメット着用」がもたらす高校生の交通ルール観の変化とは
ヘルメット着用と交通ルールに対する意識を見ていくために、株式会社オージーケーカブトが実施した高校生を対象とした調査結果を確認していきましょう。
1.1 調査概要
- 調査期間:2025年4月~6月
- 調査方法:大阪府、兵庫県、福岡県の教育庁を通じ、自転車通学時にヘルメットの着用を希望する学校や高校生個人に自転車ヘルメットを寄贈。4月~6月のヘルメット着用をもとにアンケートを実施。
- 調査対象:自転車通学時にヘルメットを着用し始めた高校生4,440人
(大阪府423人、兵庫県1,688人、福岡県2,329人)
1.2 87.9%が「運転が慎重になった」、安全かつ慎重な運転への意識が高まる
交通安全に対する意識が高まりましたか?
- とてもそう思う:40.5%
- ある程度そう思う:44.7%
- あまり思わない:10.2%
- まったく思わない:4.6%
慎重な自転車運転を心がけるようになりましたか?
- とてもそう思う:47.9%
- ある程度そう思う:40.0%
- あまり思わない:8.5%
- まったく思わない:3.6%
ヘルメット着用を開始した高校生に「交通安全に対する意識が高まりましたか?」と尋ねたところ「とてもそう思う」と答えた人が40.5%、「ある程度そう思う」が44.7%で合計85.2%が「高まった」と回答しました。
また、「慎重な自転車運転を心がけるようになりましたか?」という質問には「とてもそう思う」が47.9%、「ある程度そう思う」が40.0%で、計87.9%が「そう思う」と答えています。
ヘルメットが「親や学校に言われて仕方なくかぶるもの」から、交通安全全体への意識向上につながる選択肢として変容しているようですね。
自分の安全を意識することで自然と周りへの配慮も増えるはず。「事故を起こさないように」という意識が日常の運転にも表れるのは大きな変化といえるでしょう。
次の章では、高校生がヘルメットをかぶることに対して感じる「課題」についてみていきましょう。