5. 「ねんきん定期便」で見込年金額をチェックしてみよう!
厚生年金保険の受給者のうち、年金月額30万円以上を受け取っている人はわずか0.09%です。
現役時代に40年間、平均年収1262万円で働けば月額30万円以上の年金受給者になれるという試算もありますが、これは簡単なことではありません。
将来的には年金の支給水準が下がることも予想されるため、公的年金だけに頼らず、自分自身で老後資金を準備することも大切です。
まずは、「ねんきん定期便」で将来受け取れる年金額がどれくらいになりそうか、確認してみることから始めてみましょう。
「ねんきん定期便」では、これまでの年金加入記録をもとに、将来受け取れる年金の目安額がわかります。
ただし、その金額がそのまま手元に届くわけではない点に注意が必要です。実際には、年金からも現役時代と同じように社会保険料や税金が差し引かれます。
公的年金から主に差し引かれる項目は以下の通りです。
- 介護保険料
- 国民健康保険料
- 後期高齢者医療保険料(75歳以上の場合)
- 住民税
まずは、将来受け取れる年金の目安額を把握し、それと老後の生活費を照らし合わせてみましょう。
そうすることで、公的年金以外にいくら準備する必要があるのか、貯蓄や私的年金、資産運用などでどのくらいお金を貯めるべきかが見えてきます。
「ねんきん定期便」は毎年誕生月に日本年金機構から送付されます。もしお手元に見当たらない場合は、ねんきん定期便のWeb版「ねんきんネット」をご活用ください。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和7年度送付分)」
和田 直子