筆者宅の場合、筆者よりも夫の方が「他人を家にあげる」ということに対して強い拒否感を持っています。それは家事代行サービスだけでなく、諸々の工事業者、ベビーシッター、自分が会ったことのない筆者の友人にさえも、「素性をしっかり知らなければ家にあげたくない」という感覚です。

この「他人を家にあげること」は、家事代行サービスを頼む上で意外と大きなハードルとなります。家事をお願いするということは、台所やトイレ、お風呂、寝室など、家中をくまなく見られるということでもあるからです。

脱ぎっぱなしの下着や髪の毛の詰まったお風呂の排水溝、おしっこやうんちが飛び散ったトイレなど、見られたくないものまで見せてしまうのが、家事代行サービス。このハードルを乗り越えない限りは、「掃除をしてもらうために掃除する」といった本末転倒な現象も起こってしまうでしょう。

家事代行サービスは確かに、上手に使えば共働き世代の強い味方です。しかし、人によってはサービスを使ったからといって、家事にまつわるあらゆることが簡単に解決できるわけではありません。

家事において大事なことは、単にサービスや便利家電を駆使すればいいということではなく、完璧を求めず、やらなくてはいけないことがあったら、その時にできる誰かが行うということではないでしょうか。

秋山 悠紀