3. 月額約8000円の「老齢年金生活者支援給付金」も振り込まれるのはどんな人?
老齢年金生活者支援給付金の金額は、「保険料の納付期間」や「免除期間」などをもとに個別に算出されるため、一律ではありません。
実際の支給額は、月額5450円を基準として、以下の①と②の金額を合算したものとなります。
- 保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円※1 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1551円※2 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月
たとえば、1956年(昭和31年)4月2日以降に生まれた方で、「保険料納付済期間」が480か月、「保険料全額免除期間」がない場合、支給額は月額5450円となります。
一方、同じく1956年4月2日以降生まれで、「保険料納付済期間」が240か月、「保険料全額免除期間」が240か月の場合には、支給額は月額8501円となります。
このように、納付済期間が短く、全額免除された期間が長いほど、支給額は高くなる傾向があります。
「納付状況」や「免除期間」によって金額が大きく異なる点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
※1 年度ごとに物価の変動に合わせて見直されます。
※2 生年月日や免除区分によって金額が異なります。
4. 実際いくら受け取ってるの?「老齢年金生活者支援給付金」の平均支給額
前章では、月額約8000円の支給例を紹介しましたが、実際には基準額を「そのまま」や「それ以上」を受け取る方が必ずしも多いわけではありません。
そこで本章では、「老齢年金生活者支援給付金」の平均支給額を確認していきます。
厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢年金生活者支援給付金の平均支給額は以下のとおりです。
- 70歳未満:4691円
- 70~74歳:4187円
- 75~79歳:3930円
- 80~84歳:3835円
- 85~89歳:3883円
- 90歳以上:3952円
上記の結果からもわかるとおり、どの年代においても基準額である5450円を下回るケースが多く、平均的な支給額には個人差があることがうかがえます。
それでも、この制度は一定の条件を満たし続けていれば、生涯にわたって受け取り続けることができるため、日々の生活を支える重要なサポートとして期待できるでしょう。
なお、老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、申請が必要です。
申請をしなければ一切支給されないため、対象となる可能性がある方は、必ず手続きを行いましょう。