4. 所得の変動以外で「年度の途中に年金の手取りが変わる人」とは?
所得の変動以外で、年度の途中に年金の手取りが変わる人として、以下のようなケースが考えられます。
- 控除額が増減した人
- 保険料の負担区分が変わった人
- 年金受給を開始したばかりの人
前年の収入に変動がなくても、扶養人数の変化などによって「控除額」が変わると、天引き額が上下することがあります。
そのため、控除内容に増減があった場合には、収入が変わっていなくても、年金の振込額が変動する可能性があります。
また、65歳を迎えて介護保険料の単独徴収が始まった方や、75歳で後期高齢者医療制度に切り替わった方も、年齢による保険料負担の区分変更により手取り額が変わることがあります。
さらに、65歳から年金を受給し始めた方は、最初のうちは「普通徴収」として納付書で保険料を自分で支払う形になりますが、10月以降は「特別徴収」として年金から天引きされるようになります。
年金受給を開始したばかりの人の場合、切り替えにより年金の振込額が減ることになりますが、支払い方法が変わるだけで、実際の負担額は変わらない点には留意が必要です。
5. 年金が振り込まれたら「手取り額が変わったか」必ず確認しよう
本記事では、2025年度の年金改定内容に加えて、8月の支給額が増える人・減る人の特徴について解説していきました。
自治体によっては、8月の支給分から年金の手取りが増減する場合もありますが、多くのケースでは10月の支給分から手取り額が変わる傾向にあります。
本徴収への移行にともない年金の振込額が変更される際には、市区町村から案内が届くため、記載内容をきちんと確認しておくことが大切です。
不明な点がある場合は、早めに最寄りの年金事務所へ問い合わせると安心です。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 千葉市「年金受給者ですが、介護保険料の特別徴収とは何か教えてください。」
- 袋井市「介護保険料の仮徴収と本徴収」
- 真庭市「令和7年度介護保険料特別徴収について」
- 稲敷市「後期高齢者医療保険料の特別徴収平準化について」
- 高槻市「後期高齢者医療保険料の納付」
- 富士市「国民健康保険税の特別徴収について」
- 越前市「国民健康保険税の年金天引き(特別徴収)」
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
- 坂出市「個人住民税が年金特別徴収のかたは,4月から令和7年度の仮徴収が始まります」
- 尾張旭市「市・県民税の年金特別徴収について」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 日本年金機構「年金振込通知書は、年金の振込の際に必ず送付されますか。」
- 中央市「65歳以上の公的年金受給者で、市県民税(住民税)を納税されている方へのお知らせ」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 練馬区「国民健康保険料の計算方法(令和7年度)」
- 国税庁「高齢者と税(年金と税)」
和田 直子