3. 8月支給分から「年金の手取りが増える人・減る人」はどんな人?

結論からお伝えすると、年金の手取りが年度の途中で変わるのは、前年の所得に増減があった方です。

介護保険料や後期高齢者医療保険料などの社会保険料は、前年の所得をもとに2025年度分が算出され、7月にその年の正式な金額が決まります。また、住民税も同様で、こちらは6月に税額が決定します。

それまでの間は、前年度と同額の保険料が一時的に差し引かれる「仮徴収」という仕組みが適用されます。

保険料の年次処理スケジュール

保険料の年次処理スケジュール

出所:厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」

正式な保険料や住民税が確定した後、多くの地域では10月から本徴収へと切り替わるのが一般的ですが、自治体によっては8月から本徴収が始まる場合もあります。

また、一部の自治体では、仮徴収と本徴収の差が大きくならないよう、8月の段階で保険料をあらかじめ調整(平準化)する対応が取られることもあります。

このように、保険料や住民税の天引き額が途中で見直されることがあるため、8月以降の年金支給分で「手取りが変わった」と感じることもあるでしょう。

なお、基本的には「前年の所得に増減があった方」が、8月あるいは10月の支給分から手取り額に変化が出るケースが多いですが、なかには「前年の所得が変わっていないのに手取りが減った」という方もいます。

次章では、所得に変化がなかったにもかかわらず手取りが変動する人の特徴について見ていきましょう。