8月15日は年金支給日です。6月に続き、1.9%増額された年金が受け取れる2回目の支給日とあり、心待ちにするシニアも多いでしょう。

年金は多くもらいたいと誰もが思うものです。

では、年間240万円以上もの「厚生年金と国民年金」を受け取る人は日本に何割いるのでしょうか。

本記事では、

  • 年金制度のしくみ図
  • 厚生年金と国民年金の平均受給額
  • 厚生年金と国民年金を「年間240万円以上」受け取っている人の割合
  • 年金から天引きされるお金

にわけて解説します。年金額の実態が気になるという方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 公的年金制度って?しくみ図がわかりやすい!

年金制度はなんとなく複雑な印象があるかもしれませんが、2階建てのしくみ図をイメージするとわかりやすくなります。

日本の公的年金制度は「2階建て」1/4

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

まず、1階部分に位置するのが国民年金です。年金のベースとなることから、基礎年金と呼ばれることもあります。

加入対象は日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人で、年金保険料は全員一律(※1)です。

加入して受給資格を満たせば、将来は基礎年金が受け取れます。このうち老後の年金は老齢年金となり、保険料を40年間欠かさず納めれば満額(※2)の老齢基礎年金が受け取れます。

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円

そして、2階部分に位置するのが厚生年金です。加入対象は会社員や公務員、パート・アルバイトで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした人など、第2号被保険者となります。

年金保険料は収入に応じて決まり(※4)、給与からの天引きで納付します。

老後の年金として老齢厚生年金が受け取れますが、受給額は加入期間や納めた保険料により個人差があります。

※3 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される

それぞれの年金は平均でいくらくらいなのでしょうか。

2. 老齢年金「厚生年金と国民年金」の平均受給月額

ここからは、厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金と国民年金の平均年金月額を確認します。

厚生年金・国民年金の平均年金月額(2023年度末現在)2/4

国民年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

2.1 厚生年金の平均月額

  • 男女全体:14万6429円
  • 男性:16万6606円
  • 女性:10万7200円

※国民年金部分を含む

2.2 国民年金の平均月額

  • 男女全体:5万7584円
  • 男性:5万9965円
  • 女性:5万5777円

先述の通り国民年金の年金保険料は全員一律です。

このため老後の受給額には大きな個人差が生じにくく、平均年金月額は男女ともに月5万円台です。

その一方で、厚生年金は国民年金に上乗せ支給されるため、国民年金のみを受け取る場合よりも受給額が高くなるのが一般的です。

加えて、先述の通り厚生年金保険料は収入をもとに決まるため、老後の受給額にも個人差が出やすくなります。

では、年金収入として「年間240万円以上」を受給している人はどれほどいるのでしょうか。

3. 年間240万円以上もの「厚生年金と国民年金」を受け取る人は何割?

ここからは、厚生年金(国民年金部分を含む)を「年間240万円以上(月20万円以上)」受給する人の割合を見ていきましょう。

厚生労働省の同資料では、受給額ごとの人数も知ることができます。

厚生年金の受給額ごとの受給権者数3/4

厚生年金の受給額ごとの受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.1 厚生年金(国民年金含む)受給額ごとの人数

  • 1万円未満:4万4420人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4367人
  • 2万円以上~3万円未満:5万231人
  • 3万円以上~4万円未満:9万2746人
  • 4万円以上~5万円未満:9万8464人
  • 5万円以上~6万円未満:13万6190人
  • 6万円以上~7万円未満:37万5940人
  • 7万円以上~8万円未満:63万7624人
  • 8万円以上~9万円未満:87万3828人
  • 9万円以上~10万円未満:107万9767人
  • 10万円以上~11万円未満:112万6181人
  • 11万円以上~12万円未満:105万4333人
  • 12万円以上~13万円未満:95万7855人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3629人
  • 14万円以上~15万円未満:94万5907人
  • 15万円以上~16万円未満:98万6257人
  • 16万円以上~17万円未満:102万6399人
  • 17万円以上~18万円未満:105万3851人
  • 18万円以上~19万円未満:102万2699人
  • 19万円以上~20万円未満:93万6884人
  • 20万円以上~21万円未満:80万1770人
  • 21万円以上~22万円未満:62万6732人
  • 22万円以上~23万円未満:43万6137人
  • 23万円以上~24万円未満:28万6572人
  • 24万円以上~25万円未満:18万9132人
  • 25万円以上~26万円未満:11万9942人
  • 26万円以上~27万円未満:7万1648人
  • 27万円以上~28万円未満:4万268人
  • 28万円以上~29万円未満:2万1012人
  • 29万円以上~30万円未満:9652人
  • 30万円以上~:1万4292人

3.2 厚生年金(国民年金部分を含む)を「年間240万円以上(月20万円以上)」受給する人の割合

上記より、国民年金を含む厚生年金で「月額20万円超」となるのは、全受給権者の16.3%となりました。少数派であることがわかりますね。

約8割以上の人は年間240万円に満たない年金収入となるといえます。

また、年金からは天引きされるお金があることを知っておきましょう。

4. 年金からは天引きされるお金がある

給与からさまざまなお金が控除されるのと同じように、年金からも税金や社会保険料が天引きされることがあります。

「年金振込通知書」をもとに、天引きされる可能性のあるお金について見ていきましょう。

年金から天引きされる税や社保が記載される「年金振込通知書」4/4

年金から天引きされる税や社保が記載される「年金振込通知書」

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

  • 介護保険料額
  • 後期高齢者医療保険料
  • 国民健康保険料(税)
  • 所得税額および復興特別所得税額
  • 個人住民税額および森林環境税額

年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できるものの、年金は「額面通りにはもらえない」という点に留意しましょう。

5. 老後対策を考え始めよう

がむしゃらに働いた分、老後はゆっくり過ごしたいと願う人も多いでしょう。しかし、年金生活になるとほとんどの人は現役時代より少ない収入でやりくりすることになります。

悠々自適な老後を願うのであれば、それなりの備えが必要になるということです。

まずは年金の見込額をしっかり確認しておきましょう。

その上で足りない分について、働き続けるのか、貯蓄で備えるのかなどを検討することになります。

参考資料