昨今の物価上昇に悩んでいるシニア世代も多いのではないでしょうか。特定の食料品だけでなく、食料品全般的に値上がりしていると感じる機会が増えました。

帝国データバンクの調査によると、2025年8月の飲食料品値上げは合計1010品目となり、値上げ率の平均は11%。前年8月の661品目と比べて、約1.5倍もの品目が値上げとなっているとのことです。

年金収入が主となるシニア世代にとっては、支出が増えた分は貯蓄を取り崩しているという方も多いと考えられます。では、同世代の方々はどれくらいの金額を貯蓄をしている方が多いのでしょうか。

この記事では、70歳代の二人以上世帯の貯蓄額について見ていきましょう。

1. 【70歳代】二人以上世帯の貯蓄額、平均と中央値はどれくらい?

70歳代世帯の貯蓄状況を見ていきましょう。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」の「70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」をもとに確認していきます。

※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

1.1 70歳代・二人以上世帯の貯蓄額(平均値と中央値)

「70歳代・二人以上世帯」の貯蓄額は平均1923万円。ただし一部の富裕層が平均を大きく引き上げているため、多くの世帯の実態とは乖離している可能性があります。

より実態に近い中央値を見ると800万円にまで下がります。多くの70歳代二人以上世帯の貯蓄が、この「800万円」あたりに集中していることを意味しています。